先日、主に現場出動を行っている施設の医師が集う研究会が東京であり、参加してきた。
その中で、ロンドンの救急ヘリ(LONDON-HEMS)についての報告があった。その内容で、印象深かったのはふたつ。
ひとつは、彼らにとって、オーバートリアージという言葉は存在しないということ。日本では、ドクターヘリを呼ぶ際に基準を設けて、重症患者を対象としている(軽症患者を重症と考えトリアージすることをオーバートリアージと言う)。だから、実際に、出動すると軽症な時があるが、日本ではこれを「オーバートリアージを容認する」という言葉を使い、ドクターヘリの啓蒙のためと、軽症の中に重症が隠れている見逃しを防ぐために、オーバートリアージという言葉が存在する。
ロンドンではまさに、ヘリが救急車と同等の救急搬送手段となっているのだろう。
二つめは、ロンドンでのヘリ運行は、主に寄付金やスポンサーによってまかなわれているのだが、数ヶ月の運行資金しか集まらない場合はどうするのか、という質問に対して、「ある資金で運行するしかない、数ヶ月先のことはわからない」との返事だったとの事。この報告の演者は、このことを、とても実行力のある考え方と賞賛していた。
我々のMESHの現状を考えると、寄付金・会員数の増加に伴い、確かに数ヶ月の運行のめどは立ってきたが、航空会社との契約を考えると、数ヶ月単位での再運行は困難であり、他国の彼らの行動をただ単に賞賛して終わる気持ちには、感覚的に程遠いものがある。
私には、ロンドンでの救急ヘリは他国の出来事には感じられない。現在の我々の歩みに、近いものがあり、今まさにその真っ只中という感じだ。

応援しています。
昨晩のドキュメンタリー見てとても感動しました。応援しています!