2009年1月アーカイブ

 去る2009年1月16-17日にさいたま市で開催された第14回日本脳神経外科救急学会で、1年間のMESHの救急活動のうちの脳神経外科的疾患を纏めて、発表してまいりました。

 6分間の口演の題目は『僻地脳神経外科救急の初期治療における医師現場出動の有用性』。ヘリやカーで医師・看護師が現場に出動しいち早く患者と接触することによって、より早期から患者のバイタルサイン(血圧・脈拍・呼吸状態などの生命兆候)や神経学的兆候(意識・麻痺など)に基づいた初期治療が開始できる点で、脳神経外科的疾患も他の疾患や外傷と同様である、というのが発表の趣旨です。『脳外科救急も現場から』という文句を最後のスライドにしてみました。

 余談ですが、沖縄の地図で石川あたりを『血管狭窄』、本部半島を『動脈瘤』と表現して、かるい笑いを得た時は、小さくガッツポーズをしました。しかし現実問題、狭窄に関してはまさに沖縄の『人口および医療の狭窄部』と一致しており、まんざら冗談ではないようです。

 発表に対して、『脳外科疾患が疑われる場合、1名しかいない脳外科医が必ず出動するのか?』とのご質問を頂きました。これに対して、『原則として、疾患に関係なくその日のフライト当番の医師が出動するが、院内で待機している専門医と密に通信しながら初療を行い、現場での手術が必要な場合などは、脳外科医による追加出動の準備は出来ている』とご返答いたしました。

 さらにその翌日会場で、ある大学附属病院の中堅医師から、『昨日の発表を聞いた。地元出身の脳外科医2名が帰省就職先を探しているから、MESHを紹介したい』とのご挨拶。まことに恐縮しながら、謹んで名刺を交わしました。

 将来地元沖縄で活躍する希望をもって頑張っている若い脳外科医が複数いる、これはたいへん心強いことです。沖縄も広いので必ずしも当院に来てくれなくてもいい、沖縄の脳外科救急医療が全体として発展すれば。それともう一つ感動したことは、その中堅医師の後輩を思うやさしさと行動力でした。

 素晴らしい人の繋がりの予感とともに、僕もそれまでこの地でまだまだ頑張ってみようという気持ちを頂いた、貴重な2日間でした(留守番してくれた病院のスタッフに感謝)。

                                      (救急部脳神経外科 伊地知 寿)

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